14-贈物

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「あーぁ、楽しい時間はあっという間に終わっちゃうよな。舞華と泊まりたいなーそしたらゆっくり一緒にいられるのに」 「何度もエッチできるのに!の間違いじゃない?」 「それも含む!寝かせてあげない」 「カイはそれでなきゃねっ!今日はありがとう~」 最後は、いつもの調子でサヨナラをした。 帰りの電車の中で、カイとの濃い数時間のことばかり考えてた。 カイのお土産の効果アリ? いや、あの罰ゲームの効果だと思う。 あの空気は、なんとなく一瞬でやばいって感じた。 好きじゃなくても、罰ゲームなんだから好きって、言うモノ。 それでいい。 でも、あの時の空気は何となく真剣に答えないとならないような気がしたの。 カイは、何を思うのだろう? そんなに真剣なものじゃないのかな。 不思議な感覚。 好きなのは夫、だけど寂しい心を満たして、乱してくるのはカイ。 これって、もう好きって事なのかな。 寂しさを誤魔化して、紛らわしてるから、そう思ってしまうんだよね。 目の前の席が空き、座って私はカイのお土産の小さな袋を開けた。 可愛い…。 それは、小さなガラスの靴のネックレス。 あっ、だからあの時、ふざけてお姫様なんて言ったのかな? カイからタイミングよく入ったメッセージには、こう書いてあった。 『今日はありがとう!クリスマスプレゼントは、舞華が寂しくなったり、苦しい時に、すぐには駆けつけてあげられないけど、助けてあげるってそんな気持ちが入ってるんだ。シンデレラのガラスの靴だからね。クサイかな 笑』 思わず、泣きそうになった…。 ずっと、辛かったから…。 無理だけど、助けるよって気持ちが嬉しかった。 カイを知れば知るほど、好きになってしまうかもしれない…見失いそうになる自分が怖い。 2人同時に好きになる。 それは可能なのかな。 夫しか好きになった事が無い私にはわからない。
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