インターホンが鳴るとき

14-贈物

夫からのクリスマスプレゼントは、安くていいからピンキーリングが欲しいとおねだりしている。

最初はFacebookにあげてやる！って気持ちから指輪を選んだ。

どんなのが良いか調べてると"幸せは右手小指から入ってきて、左手の小指から逃げていくって"言われていると知った。

そう、だから右手ピンキーリングは幸せを呼び込み、左手ピンキーリングは幸せを止める。
願い事も叶うらしい。

だから、左手の小指につけるピンキーリングが欲しくなった。

幸せが逃げていかないように…。

夫といつまでも仲良くいられますようにの願い事も込めて…。

週末、夫と買い物に行き、10石の小さなダイヤモンドが並ぶ、とても素敵なピンキーリングを一緒に選んだ。

遠慮して一粒石でいいよって言ったけれど、夫はこっちの方が似合うと譲らなかった。

シンプルな結婚指輪にも合う。

どれか絶対買うと決めていて選ぶ、指輪選びほど楽しいものはないと思う。

喜んでいる私を見て夫は、すぐにあげたいみたいで「もうはめて帰ればいいよ。包まなくて良いんじゃない？」なんて夢のない事を言ってたけれど、クリスマス包装にしてもらった。

「せっかくだからクリスマスイブまで我慢する！ほんとにありがとう。凄く嬉しいっ」

すごく、すごく、楽しい買い物。
夫から愛されていると感じられるそんな一日だった。

そう、こんなに幸せな気分の日に、私はいつも余計な事をする。

帰宅後、あの引き出しを開けると、クリスマス包装紙に包まれていた箱、スノードームは無かった…。