14-贈物

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何でわざわざ今日見るの? 素敵なもの買って貰ったじゃない! あんなものと比べ物にもならないよ! 見なくても良いものを見たのは自分でしょ? 自分だって、しっかり他の男から貰ってるじゃない。 どんだけ、自分勝手なのさ。 あなたはバカなの? もう、探るのなんてやめなさいよ。 ぐるぐるぐる、色んな声が頭の中で喧嘩してるみたいだ。 やめろって言う声がするのに、"宝子(たかこ)"のFacebookを覗く。 クリスマスデコレーションとのハッシュタグと一緒に棚に並べられたクリスマスグッズの写真がのっている。 その中に、あのスノードームが写っていた。 今年新しく仲間入り。 すごくお気に入りとのコメントされていた。 ”宝子”も私が見ても、これがプレゼントされたとわからないのに何故のせるんだろう? 夫へのメッセージなのか?? 私も、あのクリスマスの包装紙を開けなければ、こんなに嫌な思いもしなかったのに。 自分に追いうちかけるようにFacebookを覗かなければ、さらに嫌な思いもしなかったのに。 今の幸せを自らが、逃している気がした…。 いつ会ったのかな。 また昼休みの少しの時間で会ったのかもしれないし、私がカイと楽しんでいるように昼間に会っていたのかもしれない。 あれは、夫からのプレゼントだったんだな。 ”宝子”からのプレゼントは貰ったのだろうか? 探したいような、探したくないような...知りたいような、知りたくないような。 夫に追求しないなら、こんな事は一刻も早くやめた方が良いに決まってるのに、どうしても”遥子”だけは許せなかった…。 ”宝子”にとっても、私はその対象なのだろう、夫への名前だが私に宛てたのだろうプレゼントは、クリスマスに家へ届いた。
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