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クリスマスイブは、夫の両親の家へ、クリスマスは、家族だけでやりたいとのお願いを夫は、いいね!なるべく早く帰るよと言ってくれていた。
朝から、ビーフシチューをコトコト煮込む。
マッシュポテトをリースに見立てたサラダ。
後は、チーズフォンデュのクリスマスメニュー。
私がフランスパンを買い物に出かけてる間に、何か届いたようで帰るとすぐに、優真が「パパになんか届いたよ~」と持ってきた。
レターパックプラスで届いていた宛先は夫の名前、ご依頼主名は、”市村宝子”とあった。
ドクンッ、動悸が激しくなる音がする。
間違いない、あの”須藤宝子”だ。
旧姓で送ってきている。
中味は、振ってもカサカサと動くくらい、軽くて薄い。
普通郵便やレターパックライトの郵便ポストへ届くものでなく、対面の受領印での受け取り方法になるものを郵送にワザと使った?
そうだとしたら、夫は会社に行っているのだから、受け取りが私になるように仕組んでいるとしか思えない。
どうしよう...。
私に見ろ!との宣戦布告な気がする。
それにまんまと引っ掛かっていいのか…。
これは封を開けたら、見てないなんてごまかしはきかないし...。
見たら、今日のクリスマス会を笑って過ごせなくなるかもしれない。
自らの行動で未来は変わる。
考えて考えて、考えに考えた。
今日は開けない、夫にも渡さない。
開けるか、開けないで夫に渡すか、どちらにしろ明日にしようと。
今日は、自分の為にも楽しむ。
それは、あの人への嫌がらせにもなるんだから。
幸せが逃げていかないように、ピンキーリングを夫につけてもらって、それから見よう。
料理をして楽しみにしていた夜を、"宝子"からの何かが届いただけでジワジワと闇が広がっていく。
この日に届くようにしたのも、”宝子”の意図しか感じられない。
あなたにも家庭があるのに。
今日は、何をしていて、何を考えているのだろう?
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