14-贈物

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夫は、帰ってきて早々に渡していい?と優真と私にクリスマスプレゼントをくれた。 夫へ私からは、マフラー。 今回は優真からもボールペンのプレゼント。 優真が、一緒に買い物に行った時に、僕も何かあげたいと自分で考えた。 皆で、貰った相手が喜ぶ姿をみて満足そうにしている。 色んな不安があるから余計に、こんな幸せな瞬間が愛おしくて泣いてしまった。 「ママ~そんなに指輪欲しかったの~」 優真が無邪気に、夫が嬉しそうに笑っていた。 「指輪も嬉しかったけど、優真がパパにプレゼントしてママにないのが悲しくて泣いてたのよ~」 「ママはいらないからって言ってたのに!?」 ごまかした私の言葉に、優真は慌ていた。 気になって寝れないかと思っていた昼間と違って、珍しく自分の判断があっていたと満足して、幸せを逃さないピンキーリングをはめた私は、ぐっすり夫の隣で寝ることができた。 朝夫を送り出した後も、昨日のレターパックをあけるかどうか、まだ決めかねていた。 ”宝子(たかこ)”は、クリスマスプレゼント届いた?とか見た?とか、何かLINEを夫に送っているかな? 外から散々触ってみて、来年度の手帳かな?という感じだったけれど…。 夫が帰ってきてから、目の前であけてもらおうか…。 手帳なら、別に「何で送ってきたの?」なんて感じで普通に聞ける気がする。 私達夫婦の反応を待っているであろう”宝子”に向けて、Facebookに昨日の食事と指輪の写真をアップした。 『メリークリスマス!でした。 昨日は、クックパッド先生に教えてもらって張りきりました♪ #ご褒美#プレゼント#指輪#楽しかった』 "宝子"はいつ見るだろう? あなたは浮気相手で、あなたの好きな人には、あなたよりも愛する家族がいるってことが伝わるだろうか。
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