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布団は掛けているが、覗いている肩はあらわで、裸なのだろうと思われる2人の写真もあった。
夫が腕を伸ばして撮っている…。
このショットを撮りたいとも思った事がないが、夫から撮ったのか?”宝子”が撮りたいといったのか?どちらにしろ、ベットでなんか今も昔も私とは撮ったことがない。
最後は、あの"宝子"のfacebookにのっていたスノードームが、宝子と一緒に写っていた。包装紙もそばに置いたままで。
コレか。
私が 夫からのプレゼントだと知らない筈であるのに、Facebookへ何故のせているのか不思議だったけれど、これを見たら分かるってわけね。
最後のページを自分の顔でしめるとは...。
自分が綺麗だと思っているのか、よほど自分に自信があるのだろう。
何も知らない人が、このアルバムだけ見たら、2人はカップルにしか見えない。
子供ができて、子供と一緒に3人で撮ることはあっても、夫と2人だけの写真を何年もとっていないな…。
これらの写真が、夫からなのか、”宝子”からなのかは分からないが、夫が二人で写真を撮ろうって言ってくれてないこと、写真の中身よりも、それが無性に悲しく思えた。
子供や家族での写真を撮ってくれているのだから、それで十分だし、それが普通なのに…。
いつまでも、いつまでも、あの女の笑っている顔が、気持ち悪く、私の脳裏に、まぶたの裏に焼き付いて離れない。
ベットに横になって、目をつぶるのが嫌だ...。
あの女が暗闇の中で不敵な笑みを浮かべるから。
あの女が私に挑戦的な眼差しを向けてくるから。
夫に、眠れない...と胸の中に入り込み、ぎゅぅっと抱きしめてもらう。
「どーした?なんかあったの?」
そんな言葉を投げかけてくる夫に、「今度一緒に2人の写真撮ろうね」と呟いた。
夫は、突然どうしたんだ?!今日は変だぞなんて言って、いつもと違う、何かがおかしいと感じたのだろう。
私の背中をさすってくれていた。
早く気づいて。
あなたの不倫相手が、私たちを壊そうとしているのよ…。
この日以来、”宝子”のFacebookは覗くのをやめた。
毎日浮かんでくるあの顔、あの顔がまたより鮮明によみがえるのが嫌だったから。
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