14-贈物

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布団は掛けているが、覗いている肩はあらわで、裸なのだろうと思われる2人の写真もあった。 夫が腕を伸ばして撮っている…。 このショットを撮りたいとも思った事がないが、夫から撮ったのか?”宝子(たかこ)”が撮りたいといったのか?どちらにしろ、ベットでなんか今も昔も私とは撮ったことがない。 最後は、あの"宝子"のfacebookにのっていたスノードームが、宝子と一緒に写っていた。包装紙もそばに置いたままで。 コレか。 私が 夫からのプレゼントだと知らない筈であるのに、Facebookへ何故のせているのか不思議だったけれど、これを見たら分かるってわけね。 最後のページを自分の顔でしめるとは...。 自分が綺麗だと思っているのか、よほど自分に自信があるのだろう。 何も知らない人が、このアルバムだけ見たら、2人はカップルにしか見えない。 子供ができて、子供と一緒に3人で撮ることはあっても、夫と2人だけの写真を何年もとっていないな…。 これらの写真が、夫からなのか、”宝子”からなのかは分からないが、夫が二人で写真を撮ろうって言ってくれてないこと、写真の中身よりも、それが無性に悲しく思えた。 子供や家族での写真を撮ってくれているのだから、それで十分だし、それが普通なのに…。 いつまでも、いつまでも、あの女の笑っている顔が、気持ち悪く、私の脳裏に、まぶたの裏に焼き付いて離れない。 ベットに横になって、目をつぶるのが嫌だ...。 あの女が暗闇の中で不敵な笑みを浮かべるから。 あの女が私に挑戦的な眼差しを向けてくるから。 夫に、眠れない...と胸の中に入り込み、ぎゅぅっと抱きしめてもらう。 「どーした?なんかあったの?」 そんな言葉を投げかけてくる夫に、「今度一緒に2人の写真撮ろうね」と呟いた。 夫は、突然どうしたんだ?!今日は変だぞなんて言って、いつもと違う、何かがおかしいと感じたのだろう。 私の背中をさすってくれていた。 早く気づいて。 あなたの不倫相手が、私たちを壊そうとしているのよ…。 この日以来、”宝子”のFacebookは覗くのをやめた。 毎日浮かんでくるあの顔、あの顔がまたより鮮明によみがえるのが嫌だったから。
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