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15-年始
クリスマスが終われば、バタバタと年賀状準備や大掃除、おせちの準備、新しい年を迎えるために忙しい。
夫も家にいるから、誰かと会っているのかもしれない…などの心配はしなくて済む分、心穏やかでいられる。
今年も、テレビのカウントダウンに合わせて「あけましておめでとう~」ワインで乾杯。眠気に負けてソファーで寝てしまっている優真と3人での新年を迎えた。
私は携帯に、友達から届いた新年の挨拶メールに返信するが、夫が携帯を触ることはない。
今年に限ったことではなくて、自宅では殆ど触ることがないのだ。
これも心穏やかにいられる一因でもあった。
会えない不倫相手との連絡手段は、携帯しかないだろうから。
しかし、あの"宝子"や"友美"からは、新年の挨拶は届いていそうなものだが…?
カイからは、新年明けて30分過ぎた頃に届いていた。
『明けましておめでとう~起きてる?
舞華の姫始め、俺にとっておいてくれる?』
姫始めって…何?
ネットで調べると、その年の一番最初にやるセックスのことだって。
反対に、最後は姫納めとも言うらしい。
そうすると、私の昨年の姫納めはカイという事になるんだな…。
姫始めは…どうだろうか。
私が誘わなければ夫とは無いだろうから、カイとなるんじゃないかな…夫にとっては? "mao、宝子、友美"?
虚しさが募る夫とのセックスがしたいわけじゃあないけれど、年の始めのセックスに呼び名があるなんてね。
姫始めか~夫にとっての姫始めが誰かなんて、何だか嫌だ。私から誘ってみようかな…。
『明けましておめでとう!姫始め?それは難しいな~ww 』
カイの既読はつかず、返信は無かった。
家庭内では、カイも携帯をあまり触ってないのかもしれないな…なんてそう思った。
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