15-年始

2/23
前へ
/169ページ
次へ
元旦、5時起きで初日の出を見に行く事にしたので、新年を迎えたテンションのままに早めにベットへ潜り込んだ。 「あっ、今年もよろしくお願いします」 私が言うと、こちらこそ、宜しくお願いします。改めて挨拶するの、なんか照れるな~と言いながら、後ろからギュッと抱きしめてくる。 夫とは、こんな感じで居られるので十分だった。 夫もそうなんだと思う。 不倫相手達や、女友達に色々誘いをかけるが、そのセックスを私に求めてるんでもないんだと思う。 私とエッチしても、誘いが減ることはあったとしてもなくならない。 興奮を覚えて、色んな人とやりたいんだろう。 仕事や家庭でのストレスを発散したいんだろう。 旦那さんを好きな人で、そんな物分かりの良い奥さんがいるのか?という話しだが、私はうちの家庭を壊そうと攻撃してくるような人と別れたら、それでいいと思うようになっていた。 前から思っていたが、夫はバレたとして暫く我慢しても、またいつか相手さえできれば繰り返すだろう。 あくまでも想像。でも何人もいて、色んな人に声をかける時点で、なおるとは思えない。 それが嫌なら別れるしか選択肢は無い。 私も、カイとの関係を続ける。 カイにも家庭があると知っていて…。 カイの奥さんが、不倫を知った時の辛さを一番よくわかっている筈の私が。 カイは家庭が一番大事。だから、バレないように最善を尽くしている。そこに好きだ、嫌いだなんてものは無かったとしても、そんなのは奥さんには関係ない。 不倫している。 この事実だけだ。 ピピピピ… 携帯の目覚ましが鳴る。 遅く寝た上に、また堂々巡りのいつもの事を考えていたものだから、寝つきも悪く、真っ暗の中では布団から出たくない。 「なったよ~起きれそう?」 朝弱い夫に声掛けると、「う~ん、ネムイナァ…」目は閉じたまま。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3576人が本棚に入れています
本棚に追加