インターホンが鳴るとき

15-年始

そのまま元旦は夫の両親、2日には私の両親へ新年の挨拶を済ませに行く。

運転は夫しかできないので、夫にとってはお酒が並ぶ中、我慢するのも辛いところだ。

昼を食べて、早めに切り上げようと思っていたが、何だかんだと帰るタイミングも難しく、夕食どきになってしまった帰り道。

交わす言葉も少なめだったが、元旦早くから行動したり、2日間の気疲れもあって、皆それぞれに疲れていた。

「連日だし疲れたよね。運転ありがとう。
帰ったら、お酒飲んでね」

「おう…そーする」

夫が飲みながら「明日さ、少しだけ出かけてくるわ」と話し始めた。

「いいけど、どこ行くの？」

「同期の奴らと初詣と一杯飲もうって話があってさ」

「まだ結婚してない奴らが多いから暇なんだよ」

「別にいいけど。飲み過ぎないでね」

普段休みに出かける事がないので、珍しい。

不倫相手がいる夫だから、誰かと会うのかもしれないと心配になる…。

初詣も行くとか？同期で？？
もうウチは行ってるから、飲み会からでいいんじゃないと思うし…。

普段休みの日に出かけない夫に、そこまで束縛しておさえつけるのもおかしいのかな…。

同期というのも気になるところで、"宝子(たかこ)"のことなのかも？メンバーにいるのかも？？
そういえば今日は、私の両親の家ということもあって、携帯をよく触っていた。

確かに、いくら親しげに振る舞う両親であっても血が繋がっていない夫は、アウェイ感は否めない。

夫の家にいる時の私も同じだから、携帯も触りたくなるよなと思っていたけれど…。

不倫していることを知らなかったら、行ってらっしゃい～楽しんできて！と送り出せたんだけれど、全てが悪い方へ悪い方へしか、考えられないのだ。