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優真は目覚ましく成長して、毎年会話が大人になってきているが、私は、全く成長してなくて恥ずかしい。
「優真に負けてられないよ~、ママも今年は何か始めるぞ~」
大きな声で宣誓すると、力が湧いてきた。
「ママ、書き初めのバトルはしないからね」
冷たい念をおされながらも、真剣に書き初めをやったり、優真にも一緒にやる?なんて言って習い事を調べたりして、前だけを向くようにつとめた。
途中、もし今日"宝子"が夫と一緒にいたなら、私の元旦のFacebookをみて同じように、チェックイン機能を使ったものをアップしてるかもしれないと、何度も頭をよぎったが、見ずに耐えることもできた。
「夕飯は、簡単に肉うどんでもいい?」
「いいよ~、ママもいっしょにテレビ見よ~」
楽しそうに笑う優真の笑いに、一緒になって笑いながら2時間のテレビもまだ終わってないうちに夫が帰ってくる。
「ただいま~」
「早かったね!呑みじゃなかったの?」
「5時から飲み放題で呑んでたから、追い出されたよ。みんな2次会行ってる」
「行かなくて大丈夫だった?」
「カラオケ苦手だしな」
そっか~お帰り~!思った以上に早い帰りに、不安な夜を過ごさなくて済んだことに安堵しながら、夫の帰りを喜んだ。
夫が優真と一緒にお風呂に入っている間、携帯の通知音が鳴った。
LINEは"友美"から、写真が送られてきたようだ。
今日は友美と会っていたのか?
いつも家では音を出してなかったのに。
開くと今日2人で神社の鳥居の前で撮ってもらった写真が送られてきていた。
"友美"は、着物を着ていた。
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