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それでも、離婚するとしても、今じゃない。
ここで追い詰めて喧嘩して、離婚や別居なんて、あの手紙を見てそうなったみたいじゃないっ!
手紙の内容が喧嘩の原因じゃないのに、向こうはそう思いほくそ笑むだろう。
不倫相手の思惑通りになるなんて、絶対嫌だ!!
そんな思いが上回っていた。
携帯を見て不倫相手が複数いる夫はどれも遊びなんじゃないかと思ったが、それもよくわからない。
あの女は、間違ったと思う…。
家に来てはだめだったよ。
誰だかわからない、この手紙も。
私に対しては、確実に間違ったよ。
向こうからのアクションではなく、夫からの行動で不倫がわかったら、私はきっと怒り狂ってる。
暴言を吐き、謝らせるのは当然のこと、離婚だってしたかもしれない。
バカだよ、貴方は。
でも、夫が悪いのに、夫を責めずに相手の女に対し敵意を剥き出しにしている私はもっとバカなんだろう…。
たいして飲めないお酒を5杯は飲んだか…
目が冴え、眠気はなかったが、アルコールのお陰で頭がぼっとし、精神的な不安が麻痺してきているのを感じて、寝室に行く。
私は、夫が未読だった “京都”のくだりからの全てを削除し、携帯を見てない事とした。
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