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次の日、届いた5枚の年賀状の中に、宛名不明の葉書は1枚、夫が出した上司宛のものだけ。
残りの4枚は、私達が出した年賀状を見て出してくれたのであろう。
その中の一枚に、須藤省吾という差出人がいた。
あの"宝子"の名字と同じだ。
手書きの住所も、定かじゃないがあのレターパックと同じ地域らしき場所。
ドックンッと心臓が飛び跳ねた。
市販の年賀状に、"久しぶりだな!新しいとこで何とかやってるよ。また飲もう!!"となかなか達筆な字で書かれている。
レターパックの住所と照らし合わせたらやはり同じだった。
住所は本物だったのだ。
あの私の年賀状は、しっかり須藤家に届いて、"宝子"の旦那さんから夫宛に返事が届いたのだ。
宛名に"宝子"の名前を入れないで正解だった。
内容から、やはり旦那さんとは知人で、一緒に飲むくらいの関係。昔一緒だったかはこれだけでは決め手にはかけるが転職されたのか、現在の職場は違うようだ。
住所も判明、旦那さんの名前も分かった。
関係性も少し見えてきたし、思ってもみない展開だ。
字形といえば、あの茶封筒で届いた私が不倫しているという怪文書とレターパックの宛名を比べていなかった。見比べてみると、分かりにくいが同じ人だといえば、そう見えないこともない。
年賀状とレターパックの宛名書きのように、一瞬でこれは違う人だと判断できるほど差はなく、恐らくこれも"宝子"の仕業だったんだろう。
改めて見ると、わざと字形を少し変えようと意識して書いた文面、そんな感じに見えてくる。
"mao"の住所をお金払ったり、騙して知ろうとしたくせに、いざ"宝子"の住まいが判明してみると、コレをどう扱っていいものかわからない。
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