15-年始

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「旦那さんが、転勤を希望して単身赴任って、家族から離れたかったってこと??」 「何で希望だしたかは、よくわかんないけど、家族がついていかなかっただけだと思うよ」 "宝子(たかこ)"から聞いてるだろうし、きっとそうなんだろう。 「そうだよね。ビックリした~」 「真治は、私達がついて行かなかったら、どうする?」 「俺?単身赴任絶対無理だわ~寂しくて死ぬな」 「そっか、そうだよね~私はついてくから大丈夫だよ」夫の腕に抱きついて言った。 今となっては、貴方みたいな人が単身赴任なんて何しでかすかわからないし、そんな無法地帯に1人でなんて行かせられるか~と内心思いながら。 不倫をするような人だと知らなくても、同じセリフを言ったであろうが、最後の最後で、この一見幸せそのものの会話も、三流役者が演じてる嘘っぽいドラマの会話ように感じた…。 でも、夫と話をして、夫の住所や連絡先を"宝子"が知っているのも、想像の世界がだいたい合っていたが、ちゃんと分かったことで、気持ち悪いモヤモヤが晴れた。 単身赴任をしていては、奥さんの様子が変わったとかわからないのも無理がないだろう。 近くにいても分からないのだから。 "宝子"の旦那さんは、まだ奥さんと夫が怪しい関係だという事に、気づいてなさそうだということ。 "宝子“は、夫に年賀状が届いていたと言うだろうか。 私が送ったのを知っていて、わざと伝えるかもしれない。 家族写真をのせているものを送るなんて酷いとかつけ加えて。 その時は、その時に考えよう。 夫が、どう切り出してくるかが読めないし。 私には、もっと酷いものが届いているんだから。何もびくびくする事もない。 昨日夫は"友美"と会っていたというのに、"宝子"のことのが気になってしまう…。
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