3550人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
上の窓から覗いていると、女がお金を夫に渡そうとして、いらない、いるといった問答がされているような様子だったが、結局夫が受け取り女は帰って行った。
私は、リビングに戻ってきた夫に矢継ぎ早に質問する。
あの人誰?
タクシー並んでお金なかったから、借りたとか言ってたけど…
ー こないだ間宮と飲んだ日に、隣で飲んでて合流して一緒に飲んだ知らない人。
タクシー代返しにきたんだって。
知らない人が何故家知ってるの?
ー 同じ方面でタクシー一緒に乗って、俺が先に降りたから覚えてたんじゃないの~?
そんな事ある?覚えてるものかね?
ー そんなの知らないよ~。
カード渡したとか言ってたけど!
ー そんなの貰ってないよ。何それ?
そもそも、インターホン見たんだから、最初から出てくれたら良かったのに!
ー そんな一回飲んだくらいの人と同じかなんて分かんないよ~まさか、来るなんて思わないじゃん。
うーん…言葉につまる私は、なんでタクシー代とか知らない人の払ってるのよ!お金ないくせにさっ。
と捨て台詞を吐いて、狐につつまれたような、モヤモヤの中あっけなく質問は終わった。
そしてそのモヤモヤも、最初出なかったのも女性と一緒に飲んでたのを知られたくなかったとか、お金のことをぐちぐち言われたくなかっただけかもしれないなんて思って、自ら消し去った。
最初のコメントを投稿しよう!