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私は部屋で主人の帰りを待っていた。
「ただいまー」
あ、彼が帰ってきた。
私はベッドから飛び降りて、彼のもとに一目散に走り出した。
そして、玄関で靴を脱ぎ終わった彼の胸に飛び込んだ。
「おいおい、元気だなあ」
私は彼の胸で包まれながら、上目遣いで彼を見上げた。
「お前は甘えん坊だなあ。よしよし」
彼が私の頭を撫でてくれる。
この瞬間が大好きだ。
「今日はお前の好きな魚を買ってきたぞ」
嬉しそうに彼が言う。
彼は私の好きな食べ物を熟知していて、時々こうして大好物を買って来てくれる。
本当に彼のもとに来てよかったと思う。
私が主人と出会ったのは、あるカフェだ。
カフェと言っても普通の喫茶店ではなく、特殊なカフェ。
彼はその店の常連さんで、よく遊びに来てくれた。
いつも2時間ぐらい遊んで帰るのだが、笑顔がとても素敵だった。
私はそんな彼が気になっていた。
しかし、可愛い子がたくさんいる中で、まさか私を選んでくれるなんて思っても見なかった。
普通はあまりないと思うが、主人と店長は昔からの友人だったために、特別に私は彼のもとにいけることになった。
彼はなんと私に一目ボレだったらしい。
動物を愛する人に悪い人はいないというが、私も彼のそんな優しい面に惹かれたのかも知れない。
実は、私はカフェで仲間にいじめられててちょっと落ち込んでいたので、彼と一緒に暮らせることになって、とても助かった。
仲間にはボス的な女がいたのだが、そいつは顔つきは大人しそうで可愛らしいくせに、裏では皆を仕切っていた。
私はちょっとしたことがきっかけで目をつけられて、みんなからいじめられるようになっていたのだ。
だから、今はとても幸せ。
今は彼が仕事に行っている間、私は家で彼を待っている生活である。
「待ってな。魚料理するから」
嬉しいことを言ってくれる。
彼は料理も得意なのである。
私は彼におねだりした。
「ねえ、私が世話するからうちでも猫飼っていい?」
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