6 二人の距離

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「すみません」と言って見ると、智也がニヤニヤと笑っていた。 「何ですか?」 「これで、明後日までは一緒にいられるな」 「え?」 「電話がかかってこなかったら、妹の家に行くつもりだったんだろう?」  そうだ。  荷物を降ろしたら、駅に送ってもらうつもりだった。 「行かせるつもりはなかったけどな?」 「課長」 「明後日、帰るまでに『課長』も敬語もやめさせてやるよ」  自信満々に私を見る智也に、ドキッとした。  長らく忘れていた、ときめき。  体温が上昇し、鼓動が加速する。 「とりあえず、今は『課長』だけどな」  工場に到着し、私はホッと胸を撫で下ろした。
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