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「すみません」と言って見ると、智也がニヤニヤと笑っていた。
「何ですか?」
「これで、明後日までは一緒にいられるな」
「え?」
「電話がかかってこなかったら、妹の家に行くつもりだったんだろう?」
そうだ。
荷物を降ろしたら、駅に送ってもらうつもりだった。
「行かせるつもりはなかったけどな?」
「課長」
「明後日、帰るまでに『課長』も敬語もやめさせてやるよ」
自信満々に私を見る智也に、ドキッとした。
長らく忘れていた、ときめき。
体温が上昇し、鼓動が加速する。
「とりあえず、今は『課長』だけどな」
工場に到着し、私はホッと胸を撫で下ろした。
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