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家庭を持った友人は飲んでも愚痴ばかりで、二言目には『独身のお前が羨ましい』と言う。
温かい食事が用意された明るい家に帰ったことのない俺には、彼らの気持ちが理解できない。
職場では恐れられるばかりで、女性社員はもちろん、男性社員も俺と仕事をするのを嫌がっている。
時々、思う。
どんなに仕事を頑張っても、俺の行きつく先は孤独死か……。
三歳年下の後輩は、俺より若くして同じ課長職に就いた。俺ほど仕事ができるとは思えないが、容量がよくて人当たりがいい。女性社員にも人気がある。
そいつがパートのおばさんと話しているのを、偶然聞いた。
『面白かったです、教えてくれた映画』
ピンときた。
年上好きか?
勘は当たっていた。
俺に怯える彼女の前で、千堂は初めて俺に意見した。
ヒーロー気取りかよ。
面白くなかった。
ミスしたくせに怒られて泣く近藤も、若い女にモテるくせに年上のパートにいいところを見せようと噛みついてくる千堂も、俺が怖いくせに甘ったるいコーヒーを飲ませた堀藤も。
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