6 二人の距離

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「『寂しい』って言ったら、させてくれんの?」  ガバッと布団の重みを感じなくなったと思ったら、その何十倍もの圧に替わった。  それが、智也の重みだと気づいたと同時に、唇が塞がれた。 「ん――っ!」  この前の、軽く触れる優しいキスとは違う。  押し付けられるような、少し痛いくらいのキス。  思わず、智也の肩を押し返そうと力がこもる。  息が苦しい。  智也の舌が唇に触れ、無意識に唇をきつく結んだ。 「んん……」  久し振り過ぎる深いキスへの応え方がわからない。  唇を開いて、受け入れる勇気もない。  智也の舌が私の唇をゆっくりと舐め、開くのを待つ。  こんなの、無理――!  怖かった。  キスの仕方なんて、忘れてしまった。  セックスなんて、もってのほか。  ふっと唇の熱が冷めた。 「口、開けろよ」 「無理!」 「嫌か?」 「そうじゃ――」  自分の感覚を疑った。  智也の手が胸に触れ、ゆっくりと包み込むように指が広がっていく。 「や……」
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