峰君の見てる風景

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 え?  ドキン! とした瞬間、頬に触れる指。息が止まる。 「まつ毛かな……なんかついてる」 「……あ、ああ。取ってください」  なんだよ。紛らわしいことはやめてくれ。  勘違いした自分が恥ずかしくて内心悪態をつく。 「うん……取れない。生えてんのか?」 「え? そんな濃いのが? やだなぁ~」  ゴウさんがますます顔を近づけた。 「…………」  やっぱり息を止めてしまう。 「あ、とれた。やっぱまつ毛だ」  人差し指を僕に向けニコッと笑う。そんな時の笑顔は売れる前と全然変わらない。初めて挨拶した時を昨日のことのように思い出せる。 「いや、笑顔可愛すぎか」  思わずそう、突っ込んでた。ゴウさんが「え?」って目を丸くする。  何言ってんだ俺。自分で告白フラグ立ててどうすんの!  焦る僕にゴウさんが微笑んだ。 「寝る? もう十二時だし……ボーッとしてるでしょ?」 「あ……、うん。ですね。あ、いえ、帰ります」 「今から帰って寝る準備してたら睡眠時間削るって! ベッド、昨日シーツ変えたばっかだから使っていいよ?」 「いやいや! マネージャーがベッドを使うわけにはいきません!」 「俺、観たいライブ映像あるんだ。だからまだ寝ないから。先に寝ていいよ? ここでも眠れるし」 「……はぁ」
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