峰君の見てる風景

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 ドアを閉めて、エレベーターまでダッシュする。マンションを出たら次は大通りまでダッシュ。空車の赤い文字に手をブンブン振ってタクシーを捕まえた。 『仙波さんの元へ一刻も早く』そう思いながら、片隅で考えてた。  もうこれでゴウさんも諦めるよね? 流石にこんなひどいことされたらさ。嫌になるよね?  ゴウさんを傷つけた。  分かってたけど、身体は勝手に動いてた。  もう歩いてる人も少ない大通り。電飾を施した街路樹だけが白く瞬いてる。綺麗だけど、寒くてなんだか寂しい。  ごめんなさいゴウさん。やっぱり僕、仙波さんが好きなんだ。
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