ゴウ君の見る風景

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 峰が仙波ちゃんの背中を真っ直ぐにして肩をポンと叩いた。 「全然ひどくないです。できましたよ」 「お? ありがとう!」  パイプ椅子から勢いよく立ち上がると、仙波ちゃんがクルッと峰の方へ向く。至近距離が恥ずかしかったのか、峰が一歩下がった。耳がほんのり赤くなってる。 「どお?」 「とっても似合ってますよ」 「ほんと?」 「はい。本当です」  仙波ちゃんが次に俺を見る。 「どっかな? ゴウ君」 「いんじゃない? オシャレじゃん」  俺の言葉に被せるように峰が腕を組んで言った。 「仙波さんは顔ちっさいし、スタイルいいし、何を着ても格好良く見えるから大丈夫だってば。いつも言ってるでしょ?」 「ふははは。ありがと~。あ、じゃあ、行ってくるよ!」 「はいはい。いってらっしゃい」 「おつかれ~」  仙波ちゃんは満面の笑みで手を大きく開くと、ヒラヒラと手首を振りながら楽屋から出て行った。
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