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それでも、それでも思うんだ。歳を重ねて待って待って君が僕の歳に追いつく。無意味なことだとわかっていてもそのわずか数日の同じ歳の時間が嬉しい。でも君とは同じ授業を受けれない。同じチームで球技大会に出て勝った時の喜びを一緒に味わえない。修学旅行で一緒の班で回って楽しめない。学祭だって同じクラスメイトで馬鹿をやれない。今君のとなりで笑っていたのは僕かも知らないのに…。わがままだって思うよ。女々しい奴だって思うよ
僕がもう少し遅く生まれてたら。君があと1日でも早く生まれてたらって何度思ったか
君が僕と同じ場所に来るのを何度待ったことか…
昔のことに想いを馳せひと段落したところでおもむろに顔を上げ君を見る。なんて顔をするんだ…そんな君の顔を見て僕は続ける。
だからさ。そんな悲しい顔しないでよ。君は、やりたい事をしに行くんでしょ?
だったら胸を張らなきゃ僕は、僕でここでやりたい事を頑張るからさ。
君を応援してる。あ、でもひとつだけわがまま聞いてくれるかな?ひどいわがまま
あっちに行っても誰のものにもならないで?君がやる事終わるまで僕は待つからさ…だからその時は…僕の話を聞いて受け入れて欲しいなぁ…なんて
本当かい?ありがとう。
一方的な言葉に頷いてくれた君。少し期待してしまう。
今回は、一年なんて短い時間じゃない。少し気が滅入るが僕のわがままで君を引き止めちゃいけない。君のやりたい事を僕は応援するよ。ちゃんと成し遂げてきてね。辛い時は、電話でもなんでもして。少しでも君の力になりたいんだ。
ほら時間だね。大丈夫僕は、君を何度も待った。
うーん待ったっていうほどのことでもないかもしれないけどね。
ほら前を向いて?行ってらっしゃい!
元気でね!
そう告げた僕の顔は、ちゃんと笑えていただろうか。
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