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バラマがいいわけをしようとすると、代わりにアロハシャツ姿のモモさんが出てきて、説明をしだしました。
「えーと、わしから説明したほうが早いと思うのう。わしたちはロウラン王国を探して一週間くらい砂漠をさまよっていたのじゃ。しかし、砂漠をくまなく探しても、いっこうにロプ・ノールもロウラン王国も、姿を現さなかった。わしが用意したモモのカンヅメも底をつき、モモウォーターもなくなってしまった。それに、この時期のタクラマカン砂漠は、暑さよりも寒さがきつくてのう。体力も限界になって、あきらめて帰ろうとしたのじゃが、そのタイミングに。」
「そのタイミングに?」
「そのタイミングで、パッチが海のようなものを発見したというではないか。
わしもバラマも飛びネコも、みんなとうとうパッチが幻覚でも見てしまったんじゃと、なげきはじめたのじゃが、近づいてよく見てみると、ほんとうに海がぽっかりと、砂漠の真ん中にうかんでおるんじゃ。
その水にふれてみると、かすかにざらつき、なめてみると、しょっぱいんじゃ。
まあ、陸の上にあるのだから、塩湖がそこにあるのじゃよ。
しかし、それはわしらが考えていたロプ・ノールよりもはるかに大きい泉じゃった。
まさに海と思えるほどに。」
「それで、ロ-ラン王国はあったの?」
サラーメさんが横から質問を投げかけました。
「そうそう、ロウラン王国もわしらの思ったものと全然違うもので、なんというか、砂漠のオアシスというよりは。」
「オアシスというよりは?」
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