セシリアからの手紙(アルブレヒト)

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「心配をかけましたね、シウス」  真面目な国の話とはいえ、向き合うシウスとは穏やかな空気が流れる。トントンと書類を揃えたシウスが席に着くと、空気は一変するのだが。 「さて、戦後処理になるがの。キルヒアイスの処刑については、カール陛下も見届けるとの返事が返ってきた。場所は国境、ラジェーナ砦前で良いか」 「そのように定め、臨時の処刑場を作っています。ここからの護送には私も同行します」 「ファウストもつける。今更あの男を奪還する奴もないと思うが、自殺などされては困る」 「エリオット殿が護送中、最悪鎮静剤を打つと言っていました。同意してあります」  キルヒアイスの性格では自死は考えられないが、それでも念には念を入れておかなければならないだろう。あの男は多くの民を殺したばかりではなく、自らの妻を殺し、子も殺そうとしたのだから。 「概ねそれでこちらは同意できる。戦後賠償についても、そちらの提示に概ね同意という感じじゃ」  帝国とのやり取りが纏められた書類を手に取りながら、シウスは頷く。これには本当に感謝の言葉しか見当たらない。     
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