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戦場でランバートとファウストは近くにいながらもキスやハグ以上の事はしていない。互いに気持ちを戦いへと持っていくため、余計な事を挟まないのだろうとシウスは言った。
そんな人達の前で堂々とイチャつくのもどうかと話し合った結果、落ち着くまでは自分達もそれに倣おうということにした。
それはいい。確かに禁欲している人達の目の前で堂々と致すのはどうかと思う。
けれど今は落ち着いた。時間的にもシウスはゆったりと帰ってくる。なのに、未だにそうしたお誘いがないのだ。
心配そうなランバートが左に、同じくゼロスが右に腰を下ろす。挟まれて少し居心地悪くすると、余計にくっつかれた。
「どうしたんだ? 何か悩み事か?」
「別に、悩んでなんて……」
「新婚だろ、ラウル。シウス様と同室に泊まっているんだ、悩みがあるなら聞いて貰うといいんじゃないか?
「……そのシウス様がいけずなんだもん!」
たまらずラウルは語気を強く言って、ランバートとゼロスを睨んだ。
「戦場の真っ只中で節操のない事はしないけれど、今一緒の部屋で生活しているのにお休みのキスだけなんて、どうして? 僕、魅力ないかな?」
「いや、そんな事はない! ラウル、落ち着いてくれ。他にも人が……」
「僕が小さいから? もう二十歳なのに、まだ子供扱いされるの? あの人子供と結婚したの? ねぇ、二人とも教えてよ!」
「「あぁ……うん」」
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