【おまけ1】とある新妻の密かな愚痴(ラウル)

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 困り顔もセリフもタイミングもまるまる被った二人を前に、ラウルはとうとうライトブラウンの瞳に薄ら涙を浮かべた。 「ラウル!」 「自信、無くしちゃうよ……。ねぇ、ランバートもゼロスも教えて? どうしたら二人みたいに、恋人をメロメロにできるのかな?」 「えぇ! シウス様はもう十分ラウルにメロメロじゃないか!」 「断固否定しておく! 俺はそんな事をした覚えはない!」  ランバートもゼロスも思いきり否定している。けれど、気付かないと思ったのか。二人とも一日、部屋から出てこない日があった。互いの恋人は気力満タン! という顔をした一方で、ランバートとゼロスは疲れた顔をしていた。 「お願い、何か秘訣があるなら教えてよ。僕達新婚なのに、もうセックスレスなの? お付き合いの時間が長すぎた? どうしたらいいと思う?」 「あぁ……うーん」  二人は悩みながらも、互いにアドバイスをしようとしている。心地よい木漏れ日の中、彼氏に対するお悩み相談が赤裸々に行われている。 「やっぱり、まずはキスが基本じゃないのか?」 「それは毎日してるよ。お休みのキス」 「そうじゃなくて、もっと誘うようなさ。シウス様は淡泊っぽいけれど、あからさまに誘えば乗ってくるんじゃない?」 「来なかったら、どうしよう」 「余程、疲れている時だよ」     
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