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困り顔もセリフもタイミングもまるまる被った二人を前に、ラウルはとうとうライトブラウンの瞳に薄ら涙を浮かべた。
「ラウル!」
「自信、無くしちゃうよ……。ねぇ、ランバートもゼロスも教えて? どうしたら二人みたいに、恋人をメロメロにできるのかな?」
「えぇ! シウス様はもう十分ラウルにメロメロじゃないか!」
「断固否定しておく! 俺はそんな事をした覚えはない!」
ランバートもゼロスも思いきり否定している。けれど、気付かないと思ったのか。二人とも一日、部屋から出てこない日があった。互いの恋人は気力満タン! という顔をした一方で、ランバートとゼロスは疲れた顔をしていた。
「お願い、何か秘訣があるなら教えてよ。僕達新婚なのに、もうセックスレスなの? お付き合いの時間が長すぎた? どうしたらいいと思う?」
「あぁ……うーん」
二人は悩みながらも、互いにアドバイスをしようとしている。心地よい木漏れ日の中、彼氏に対するお悩み相談が赤裸々に行われている。
「やっぱり、まずはキスが基本じゃないのか?」
「それは毎日してるよ。お休みのキス」
「そうじゃなくて、もっと誘うようなさ。シウス様は淡泊っぽいけれど、あからさまに誘えば乗ってくるんじゃない?」
「来なかったら、どうしよう」
「余程、疲れている時だよ」
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