それぞれの再出発(アルブレヒト)

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「……わかった」  受け取った手紙は少し重たい。だがもう、絶望には落ちない。この手紙にどれほどの恨み言が書かれていても、受け入れるつもりでいる。そしていつか天命が尽きた時には、彼女の前に堂々立てるようになっていたい。  真新しいレイピアを腰にして、ダンの暑苦しい腕が肩に回って、「酒だ!」と叫ぶ男を見ながらベリアンスは、軋みながらも何かの歯車が回り始めたのを感じていた。
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