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【残酷・無理矢理・R18】とある宰相の転落劇・4(ナルサッハ)
ある時、私は屋敷の地下にある所蔵庫に蔵書を取りにいった。大した警戒をしなくなっていた。それくらい、普通の距離感で満足できる毎日を過ごしていたのだ。
「確か、この辺り……」
書架へと手を伸ばした、その時だった。突然後頭部に痛みを感じ、そのまま倒れて意識を失った。
人としての私が過ごす、それが最後の時だった。
目が覚めた時、状況が分からずパニックになった。
裸のまま腕を纏めてベッドヘッドに一括りにされ、足も割り開いた状態でベッドの足に括り付けられていた。不意に、フラッシュバックした。奴隷時代、こんな風に手足の自由を奪われ裸にされて、いい事はなかった。
「いや……いや!!」
体を捻り、どうにか逃れようと必死になっても鳴るのはガチャガチャという拘束具の音ばかり。
真っ暗な中に蝋燭の明かりだけが灯っている。今が昼なのか、夜なのか。この状態で何日経ったのか。それすらも私には分からない状態だった。
その時ガチャリと鍵が開いて、ギギギィィという重い音と共にドアが開いた。
「やっと起きたのかい?」
「サルエン……これはどういう事です!!」
悲鳴のまま叫んだ私を見るサルエンの目は、酷く不快なものを見る目だった。
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