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されましたかな?」
「まだでした、ちょっと頂戴してきます」
「お達者で」
(武士の意地と女の情念に出せる薬はない)
その日の田中医師の往診が最後の往診となった。
フジへの遺言は「ちょっとご主人の往診に行ってきます、しばし」
と。
土曜の週末、孫の康は嘉吉と話をした。
「ねぇ!かきっさんあのさ、西郷さんて知ってる?」
「坊ちゃん!いくらなんでもその言葉はないでしょう?拙も薩摩隼人ですぞ」
「じゃあさ、西郷さんって何をした人だったの?」
「そ、それは・・・陸軍の大将さんで・・・徳川無血開城して明治維新を果たした・・・」
「そこまではすごいよ、偉い人って僕にもわかる、でも西南戦争っていったい何が目的だったのかな?士族って徳川幕府に仕えてたんだよね、薩摩の武士の人達、自分達で将軍様退位させといてそれで俸給なくなって、刀まで取られて、それで反乱っておかしくない?西郷さんも明治政府が自分の思うとおりにいかなくなって、鹿児島で私学校立てて反乱起こして日本人同士で殺し合って、それで西郷さんは偉い人って僕はなんだか腑に落ちないんだよねぇ、これって正しいのかなぁ、間違っているのなぁ、鹿児島の人達、誰も疑問に思わ
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