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ないのかなぁ、大久保さんのほうがずっとずっと辛い立場で日本と鹿児島、明治政府と西郷さんを無くしたくない、傷つけたくないって苦しんでたと僕は思うんだけど・・・」
「死に場所を・・・待っていたんじゃないですか?」
「え?」
「拙は難しいことはわかりかねますが、拙も薩摩武士のはしくれなんでわかるんです、血が。俸禄はともかく、刀は武士の魂。それだけは譲れない薩摩武士の意地がそこにはあったんじゃないですかねぇ西郷さんは、きっと待っていたんでござんしょう、武士としての死に場所を」
「僕だって一応武士の血は引いているんだけどわかんないなぁ、血が薄いのかな?」
「ええ?坊ちゃん!今なんて?」
「かきっさん知らなかったんだ、僕の婆ちゃんの実家、薩摩藩家老職を代々勤めた隼人家が実家なんだよ」
「隼人家・・・!!薩摩藩槍指南役で島津のお殿様から直々に『隼人』姓を名乗ることを許された・・・それは拙の先祖のご主人様ですぞ」
「え?初めて言った時婆ちゃんが言ったじゃん、代々のお手伝いさんって」
(奥様のあの言葉は助け舟ではなく事実だったのか・・・ではなぜ・・・今までそれを黙って・・・)
「坊ちゃん拙はこれから急用が出
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