この日を待ってた

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「食事に行ってくるよ。なにか変わったオーラの人がいたら、教えてくれ」 僕は、はいと笑顔で答えて、さらに30分程オーラ観察を続けた。 やっぱりあの金色の子が珍しいかな、と目を離そうとした瞬間、真っ黒なオーラの人影が視界に飛び込んで来た。 これは珍しいぞ、教授に報告しないと! と思い上にある覗き穴から確認すると、人影は教授だった。 あれ?と思い、もう一度スコープを覗き込む。確かに目の前の人物のオーラは真っ黒だった。 「S君、変わった人はいたかね?」 「はい、金色のオーラの子がいました……。それより教授、お身体は大丈夫なんですか?」 あんなに真っ黒だなんて、なにか病気なのだろうか。 「金色か……、それはスロイ星人かもしれないなぁ」 え? ……スロイ星人…ってなに? 教授は、完成の喜びのあまり頭がおかしくなってしまったんだろうか? いや、いや、そんなはずはない。教授にあこがれてこの研究室に入って以来5年間、教授と毎日一緒に研究してきたんだ。そう、教授は頭の回転が速すぎて、意味がよくわからない結論めいたことを言う時がある。そんな面も、知的でまた素敵だと思っている。     
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!