この日を待ってた

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この日を待ってた

「教授、ついに完成しましたね。本当に、おめでとうございます」 「いや、自分の為に研究して来たようなものだ。君にはとても感謝しているよ」 ターミナル駅の待合わせ場の前で、人々のオーラ観察をする教授は言った。 教授と僕は5年の歳月をかけて『オーラスコープ』を完成させた。マジックミラー型の装置で鏡の裏が小部屋になっており、そこで人々のオーラを観察するとその色から健康状態や、精神状態がわかるというものだ。 観察を始めると、実に様々なオーラを持つ人がいた。赤、青、緑、黄色、紫、薄青、オレンジや、薄い金色の衣をまとったようなオーラの子もいた。上半身は赤いが、下半身にいくに連れてだんだん青くなったりと、ほとんどの人のオーラにグラデーションや色の混じりがある。これは、その人の感情や気質、品位を反映したものなのだそうだ。それだけではなく、皆どこか黒い部分や、色が濁っている部分がある。病気やケガをしたり、心を病んだりしているのだ。一人として同じパターンが存在しないことに、興味をそそられた。経過良好ですね、と僕が言うと、教授は満足そうに微笑んだ。
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