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私は
――私は、待つことが嫌いだ。
保育園に通っていた頃、両親が共働きなために迎えが遅く、いつも待っていた。
成長してからも、待ち合わせ場所で友達を待ったり、何かの用事で人を待ったりすることは度々あった。
待つ時間が長ければ長いほど、心細くなって、不安になって、泣きたくなる。
いつ来るかな。本当に来るかな。早く来てほしい。もし来なかったら――どうしよう。
そんなことをぐるぐる考えてしまう。
歳を取るにつれて、他のことで気を紛らわせることができるようになっていったけど、それでもやっぱりぼんやりとした不安は拭い切れない。
「待つ」なんて、これ以上ない苦行だ。
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