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第2章 変身
今、彼女の目の前には、不思議な格好をした子供が一人立っている。
どう不思議かというと、ブカブカの服にうずもれているのだ。
確か、先ほどドアを通った時は、誰もいなかったはずなのに…。
彼女はしゃがみこみ、「君は、どこから来たの?名前は?」と尋ねた。
すると少年は、「君の後を追ってきたんだ。名前は風太。」と答えを返した。
彼女は風太を見て、とても驚いた顔をしている。
そして突然、風太に近づいた。
「え?」と驚いた風太に構わず、両腕をそっとまわし、抱え込み深呼吸する。
すると彼女は、「人間の匂いがする。」と顔をしかめて呟いた。
そして、そっと彼から離れる時に、
「私は、ハル。」だと、彼女は名乗った。
いったい、今の僕は、どうなってしまっているんだ?
人間の匂いがするって、当たり前じゃないか?!
僕が人間だというのなら、ハルと名乗った彼女は何者なんだ。
一刻も早く、状況を把握したい。
それなのに彼女は、「どうしよう。」と言ったまま黙りこんでしまっていて、
聞ける感じではない。
風太がそんなことを考えていた時、ハルは、今のこの状況をどうすればいいか考えていた。
この国に人間が入り込むなんてことは、滅多にないことなのだ。
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