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いや、全くないと言っても過言ではない。
見つかったら、大変なことになるなとハルは思った。
最近になって、この国にきた悪い魔法使い。
この国の王を騙し、今では、自分が王の座についている。
ーこの国が困難に立ち向かう時、勇者である人間の子供が現れるー
この国に、古くからある言い伝えだ。
悪い魔法使いたちは、この言い伝えを気にしていた。
そんな中、ハルは、その子供を探すように任命され、特別に人間の世界に調べに行っていたのだ。
まさか、目の前に現れるとは…。
ハルは、風太と名乗った彼を見る。
よく見ると風太の右耳には、一粒石のイヤリングがつけられている。
その風太のイヤリング、ハルは、見覚えがあった。
もしかして…。
そう思いながら、ハルは自分の耳のイヤリングを確かめる。
ハルは、「やっぱり…。」とため息のようにつぶやいた。
二人の耳につけられているイヤリングは、同じものだ。
ハルはどこかでイヤリングを落としていたのだろう。
先ほどからハルは、考えていたのだ。
風太がどうやってこの国に入ることができたのか、不思議に思っていたのだ。
それが今、分かった。
この国に入るには、この国のものを身につけていなければ入ることができないというルールがある。
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