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ハルは、考えた。
だったら、風太の右耳についているイヤリングを外してしまえばいいと…。
でも、それはできなかった。
風太の右耳のイヤリングは、何をしても取れなかったのだ。
きっと、このイヤリングは、風太のことを守っている。
もし、とってしまったら風太は、どうなってしまうのだろう。
もしかすると、元の世界に戻れたとしても子供のまま大人に戻れなくなってしまう可能性だってある。
通りを行き交う人々がハル達を気にしながら、通り過ぎていく。
このまま、このドアの側にいては、危険だ。
悪い魔法使い達に気づかれてしまうかもしれない。
「何か、いい策はないだろうか?」
ハルは、そう言いながら、遠くにそびえる城を見つめた。
その城の向こうには、緑の森の魔法使いが住む森が広がっている。
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