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あなたが好きです
始まりは、ごく普通のありふれた恋のはずだった。
「佐倉美月といいます。……聖川康介さん、あなたが好きです。わたしと付き合ってもらえませんか?」
バイト先で出会った、年下の女の子。ストレートの髪を長く伸ばしていて、身長はオレの胸くらいしかないほど小さくて、素朴な花のように笑う。
面倒くさそうな男に絡まれているところを偶然に通りかかって助けたのがきっかけで、少しずつ話すようになって。
そんな彼女から告白され、オレ達は付き合うことになった。
交際を続けていくうちに、美月はオレの部屋に入り浸るようになった。
オレのどこが良いのかはよくわからないが、可愛い女の子から好きだと言われて、その気にならない男なんていない。
一人暮らしの男の部屋に上がるということがどんなに危険なことか、身をもって教えてやりたいところだったが、彼女はまだ学生だったので理性で耐えた。
オレの努力の甲斐もあって、だんだんと美月の存在がオレの部屋に馴染んできた頃。
その日は、何の前触れもなく訪れた。
「康介くん、今度はうちに来ない? わたしも一人暮らしだから、遠慮しないで」
女の子の部屋に行くなんて人生で初めてで、オレは緊張しながらも頷いた。
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