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これで、ずっと一緒だね
美月の部屋は、家具や小物など全体的にパステル調の色彩に溢れていて、なんというか男がイメージする”女の子の部屋”そのものだった。
オレがそのことに感激してキョロキョロと部屋のあちこちを見回していると、美月はいつものようにふわりと微笑んだ。
「女の子の部屋は、珍しい?」
「珍しいっていうか……初めてだよ」
「なら良かった。慣れてたら逆に困っちゃう」
「……オレはそんな遊び人じゃねーよ」
「うん、知ってる。だから好きなんだもん」
「……あっそ」
そうストレートに言われるとさすがに照れる。
つい視線を逸らすと、美月がくすくすと笑みを深めた。
「ねぇ、康介くん。そろそろ一緒に暮らそ?」
「ど、同棲はまだ早……っ」
ついに同棲のお誘いかと嬉しい反面、なけなしの理性で説得しようとしたオレを煽るように、美月は自らの唇を指差し、上目遣いでオレを見上げた。
「目、閉じて?」
「……お、おう」
思わず返事をすると、そのまま美月が近づいてきた。
……珍しく彼女からキスでもしてくれるのか?
オレは自分から身をかがめ、言われた通りに目を閉じてそのときを待った。
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