251人が本棚に入れています
本棚に追加
/332ページ
「出来ますよ~。
スピリッツを抜いたり、ノンアルリキュールで代用がきくものは」
「じゃあ、それで。
…助かります。
ありがとうございます」
おっと急にしおらしい。
まぁ…
腹黒発言は、くっそ面白くない冗談かもしれないし。
クールでトゲトゲしたところはあるけど、真面目で不器用なだけかもしれないし。
1コしか変わらないのにこんなに色々とすごいのは、それだけ頑張ってるって事で…
実はけっこういい人なのかもしれない。
そしてあたしは、そーゆう頑張ってる人に弱い。
そう、翔くんや初恋の人みたいに。
そこで、伏目がちな白濱さんの長い睫毛が…
パッと上がって、バチっと目が合う。
その目にも弱いあたしは、不覚にもドキッとしてしまう。
「…あの」
「はい、なんですかっ?」
「こっちのセリフです。
人の顔ばっか見てないで、早くカクテル作って下さい」
はいはいはいはいすみませんねえ!
それから白濱さんは、ノンアルとそれがムリなものを1杯ずつ飲んで帰っていった。
最初のコメントを投稿しよう!