ブラッドハウンド

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「出来ますよ~。 スピリッツを抜いたり、ノンアルリキュールで代用がきくものは」 「じゃあ、それで。 …助かります。 ありがとうございます」 おっと急にしおらしい。 まぁ… 腹黒発言は、くっそ面白くない冗談かもしれないし。 クールでトゲトゲしたところはあるけど、真面目で不器用なだけかもしれないし。 1コしか変わらないのにこんなに色々とすごいのは、それだけ頑張ってるって事で… 実はけっこういい人なのかもしれない。 そしてあたしは、そーゆう頑張ってる人に弱い。 そう、翔くんや初恋の人みたいに。 そこで、伏目がちな白濱さんの長い睫毛が… パッと上がって、バチっと目が合う。 その目にも弱いあたしは、不覚にもドキッとしてしまう。 「…あの」 「はい、なんですかっ?」 「こっちのセリフです。 人の顔ばっか見てないで、早くカクテル作って下さい」 はいはいはいはいすみませんねえ! それから白濱さんは、ノンアルとそれがムリなものを1杯ずつ飲んで帰っていった。
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