4 二人目のお付き合い

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 四歳年上のシュウちゃんは、癒してくれる人を求めていた私にはぴったり過ぎる、陽だまりのようなのんびりとして優しい人だった。  二度目に会った時に、お付き合いして下さいと言われたけれど、今度の私は好かれたからと言ってすぐに喜んで返事はしなかった。  いい人だったから、自分の不甲斐なさで嫌な気分にはさせたくなかった。  私と関わると不幸になる、と言ったんだったか。  今までの人生でたった一人の親友と呼べるほど仲の良かった友人は、小学校の時に引っ越していなくなった。  小学校で入院した時に薔薇の花束を持ってお見舞いに来てくれた初恋の人も、小学校で引っ越した。  それらは自分のせいではないけれど、とにかく私の前からいなくなった。  遠慮しながらも仲良くしていた仕事の同僚は、私に異性を紹介してくれたけど、その異性とくっついちゃって、元の彼氏からストーカーされた。  これも私の責任ではないけれど、私が関わったせい。  そして前に付き合った女性は、私が本当に好きではないのに付き合ってしまったせいで、無駄に傷付いて無駄な時間を過ごしてしまった。  だから付き合えないと言ったけど、シュウちゃんは、それでも構わないと言ったんだっけか、自分は大丈夫と言ったんだっけか。  今は里桜ちゃんは僕のことを好きではないかも知れないけれど、少しずつ好きになってもらえたらいい、みたいな事を言われた。  私は、それならお付き合いしてもいいと言った。  私はダメな人間だけど、私が不甲斐なくても問題ないと言ってもらえたから。
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