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初恋の悠幸くんに出会ったのは小学校1年生の時……
隣の席同士で自然と仲良くなり、二人とも名前に『ハル』がついているので、「ハルちゃんコンビ~」とからかわれたりもしたが、一緒に遊ぶのがとても楽しかった。
妹がいて優しいお兄ちゃんという感じで、面倒見がよく誰にでも優しいけれど、なぜかたまにおネエ言葉になってからかわれるといういじられキャラ。
学年が変わり違うにクラスになって以降、全く同じクラスになることもなく、話すこともなくなってしまった小学4年の時だった。
飼育係をしていた私は、ある日の放課後に小鳥小屋で餌の交換をしていたが、クラスの意地悪な男子に鍵をかけられてしまった。
しかも南京錠……しかもほとんどの生徒が帰った後……
「ちょ……ちょっと」
「や~いや~い」
ガチャガチャとフェンスを揺さぶってみたが開かない。
「出られない……どうしよう……」
さっきの男子たちも帰ってしまったみたいで校庭には誰もいない。
「誰か…………助けて……」
とフェンスに手をかけ泣きそうになっていたら……
忘れ物を取りに来たという悠幸くんに会った。
「どうしたんだ?」
「出られなくて……その……鍵かけられちゃって……」
「誰に?」
「クラスの男子……」
「鍵ってこれか?」
「そう……南京錠だから鍵貰いにいかないと……」
「あ~締めたふりしたんじゃない?」
フェンスのカギ穴に入っていた南京錠がスッと外され「キィ」と扉が開いていく。
照れながら扉を開けてくれた彼がおとぎ話の王子様に見えた。
「ありがとう……/////」
それからは彼をまっすぐ見られなくなり、隣でいるだけでドキドキした。
6年生になり、せっかく同じクラスになれたのに自分からは全く話しかけられず……
卒業前に悠幸くんから貰ったサイン帳も一生懸命書いたものの、渡すのが恥ずかしくて恥ずかしくて結局渡せなかった。
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自分の中に封印し、忘れていた後悔ばかりが残る甘酸っぱい初恋の思い出の夢……
「そういえば先生って初恋の悠幸くんに似てるかも……最後の漢字同じだし♪」
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