本当に欲しかったものを、思い出したのです。

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 あるところに、とても威張った神様がいました。神様は、もっと人間たちに感謝されたがっていました。忠誠心をもっとみたかったのです。  なので、もっと自分を奉れと、人間に贈り物をしました。  それは、絶対に汚してはいけない真っ白なTシャツでした。  もらった人々は、驚きました。神様から頂いた大事なプレゼント。  けれど世界中どこを探してもこんなに真っ白で汚れのない綺麗なシャツは、知りません。 ある人は、汚してはいけないからと額にいれて飾りました。 太陽の光にも当たらないように、大事に大事にいつもそのTシャツを眺めます。 汚れていないか、ひやひやしながら見ます。 神様はその様子を見て、頷きましたがまだ満たされませんでした。 ある人は、宝箱に隠して家の屋根裏の奥に隠してしまいました。 恐れ多くて見るもの偲ばれ、手にすることもできず、隠して忘れようとしました。 神様はそれを見て不満でした。 着ようとした人物は、四枚服を重ねその上に真っ白なTシャツを着て、そして更にその上から四枚服を着ました。 けれど「これでは暑すぎて動けない」と脱いで、二度と着ませんでした。 人々は、手に余るこの白いシャツに、けれど神様からの頂いたものだからと無下にできなくてほとほと困り果てていました。 そして最後に貰った子どもは胡坐をかいて眠っている神様に、尋ねました。 「かみさまは、何色がすき?」
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