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私がまだ大学生時代に、アルバイトで貯めたお金で250㏄のバイクを購入、当然早く乗りたく、アルバイトが終わった瞬間に夜な夜ないろんな場所を巡っていた。
不意に、どうしても綺麗な夜景が見たくなり、アルバイトが終わり次第、江戸時代にはお城が存在した山を目指して走りだした。
その山からはとても綺麗な夜景が見れるとオーナーから聞いており、ワクワクしながら走りだす。
しかし、向かう途中に大きな橋があり、そこは地元でも有名な心霊スポットなのだが、それでも、若かった当時は。
「そんな事あるわけがない。」
強気な気持ちで向かっていく。
深夜一時に、肌寒い外気の中を走り、急な坂道を鼻歌混じりで進んでいく、途中コンビニに寄り、缶コーヒーを買って夜景を見ながら飲もうと思い、ポケットにしまい込むと、早々にバイクにまたがり走りだした。
そして、ついに噂の橋が見えてくる。
思った以上に幅も広いが、常夜灯が消えているのがとても気がかりだった。
そして、橋の中間地点にくると、急に後ろから車にパッシングをされ、驚いた私はハンドル操作が一瞬乱れ、速度を緩める。
なんでパッシングされたかわからないので、後ろを少し見ると、そこにはただの暗闇が広がっていた。
私にパッシングした車がいないのだ、知らないうちに追い越されたのかと思い、前を見るがやはり、暗闇だけが待っていた。
急に悪寒が体中を駆け巡り、急いでアクセルを回すと、直ぐに橋を抜けてまた、グネグネと曲がった道が現れる。
山の中腹まで差し掛かり、橋のあった場所を見渡すと、そこには綺麗なオレンジ色の常夜灯が灯り、車が数台行き来している。
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