こんなことって、あるんだ

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 コンマ1秒かからずに。  恋に落ちた。  急行列車を待っていたわたし。  わたしの肩に触れるか触れないかの距離を、雪を伴った風が吹き抜けた。  発車間近の各駅停車に走り乗った男子に、目が奪われた。胸がきゅううっと甘酸っぱく痛んだ。  名前も知らない彼に。  わたしは一瞬で恋してしまった。
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