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お母さんの手
「お母さんの手、あったかいね」
「涼太、冬は寒いから暖かくするのよ」
涼太は母の手を握った。
冬の寒い中で作った雪だるまは、可愛い顔をしていたが体が冷たかった。
母は涼太の手を握り返した。
「僕、外で雪だるまを作ったら手が冷たくなったんだ。手が冷たくなったのは雪だるまのせいだ」
雪だるまは今ごろ太陽に照らされて、反省しているだろう。
「そう、雪だるまが悪さをしたのね」
お母さんの手はあったかい。
「そうだ、僕、雪だるまのお母さんを作るよ」
「あら、どうして?」
僕は雪だるまを少しかわいそうだと思った。
「だってさ、お母さんの手があったかかったから」
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