お母さんの手

1/1
前へ
/1ページ
次へ

お母さんの手

「お母さんの手、あったかいね」 「涼太、冬は寒いから暖かくするのよ」 涼太は母の手を握った。 冬の寒い中で作った雪だるまは、可愛い顔をしていたが体が冷たかった。 母は涼太の手を握り返した。 「僕、外で雪だるまを作ったら手が冷たくなったんだ。手が冷たくなったのは雪だるまのせいだ」 雪だるまは今ごろ太陽に照らされて、反省しているだろう。 「そう、雪だるまが悪さをしたのね」 お母さんの手はあったかい。 「そうだ、僕、雪だるまのお母さんを作るよ」 「あら、どうして?」 僕は雪だるまを少しかわいそうだと思った。 「だってさ、お母さんの手があったかかったから」
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加