かざぐるまを手にして

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そのサインとは、ユカが今手にしている、かざぐるま・・・。これを持って、空家を探索していると突然激しくかざぐるまが回りだし、キャッキャッと笑う赤子の声がどこからともなく聞こえてきて、その声を耳にした者は気がふれてしまうという。 (はぁ・・・心霊オタクだから彼はイケメンでも誰とも長続きしないのね・・・) ユカがそんな事を思ってると、 「さあ、着いたぞ!いやあ、禍々しそうな雰囲気に包まれてるなあ~。」 ウキウキした声で彼氏は車を停車させた。 「さあ、行くか♪」 「うん・・・えっ!?」 手にしてるかざぐるまが突如激しく、回りだした。 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる・・・!!! 「いやーーーーーーー!!」 ユカはかざぐるまを放り出した。 「シンくん車出して!早く!」 半狂乱になって彼氏に向かって叫んだが運転席の彼はピクリともしない。 「ど、どうしたの、シンくん・・・?」 彼氏の腕に手をやると、 「キャッキャッ・・・アババァ」 とはしゃいだ声を出しながらこちらに向いた。 その顔は、3人分の赤ちゃんの顔が投影されたように、変化していた。 「ぎゃーーーーーーー!!!」 ユカは悲鳴をあげて車から出ようとしたが、叶わなかった。 3人の赤子にとり憑かれた彼氏がかざぐるまを拾い上げ、ユカの白くて細い首に突き刺したのだ。 薄れゆく意識の中で、ユカは思った。 (男は顔で選んじゃだめね・・・)
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