僕達の思い出

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僕達の思い出

その日から、僕は彼女にたくさんお話をした、晴れの日は外で、雨の日は彼女の病室で、僕のこと、彼女のこと、僕達の出会い、一緒に過ごした楽しい日々・・・ それをすべて話し終える頃には、僕達はまた付き合っていた頃のように戻っていて、僕の話しを笑いながら聴く彼女に胸が締め付けられそうだった そして、彼女の退院の日がきた。 僕はいつものように彼女を迎えに行き、彼女と二人、僕の家までの道を歩く ふと、彼女が足を止める。 そこは、僕と彼女がよくおしゃべりをした小さな公園で、僕が彼女にした話しの中にも何度か出てきた場所だった 「ここだよね?あなたが話してくれた公園って・・・」 公園の方へ向かいながら彼女は言った 「そうだよ・・・君と僕はここでよくおしゃべりしてたんだ・・・」 トクン、トクンと心臓の音がうるさいと感じる・・・ もう少しで・・・また・・・ 「・・・ぇ・・・ねぇ!」 彼女の呼び声でハッとする 「ねぇ?大丈夫?」 彼女は心配そうに僕の顔を覗きこむ 「ごめんね?大丈夫・・・ちょっとボーっとしちゃっただけだから・・・」 精一杯の笑顔でそう答えた 彼女もその言葉で安心したのか、いつもの笑顔に戻る
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