恋人

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そして僕達は公園にある小さなベンチに座って、僕達の最後の思い出を話した その思い出は・・・もちろん、彼女の事故のこと・・・ 彼女はその話しを真剣に聴いてくれた そして、その話しが終わると僕は彼女に最後に一つの質問をした 「これで・・・僕達の思い出話は終わったけど・・・どう?僕のこと・・・また好きになってくれたかな?」 彼女の顔がみるみる赤くなっていき、彼女はそれを隠したいのかうつむいてしまう そして・・・彼女は小さなく頷く 僕は彼女の頭を撫でながら 「ありがとう・・・これからもよろしくね?」 と言った。 彼女は真っ赤な顔でうつむいたまま 「・・・よろしく・・・お願いします・・・」 と小さな声で呟いた こうして僕達はまた恋人同士に戻った、それは凄く嬉しいことだけど・・・ 僕はこれから起こる悲劇を知っていたから・・・ 素直に喜ぶことはできなかった 「そろそろ帰ろうか」 僕はベンチから立ち上がり、彼女に手を差し出し、彼女も頷きながらその手をとった 僕達は無言のまま帰路につく 途中の横断歩道で止まる 信号はすぐに青に変わった 僕はその横断歩道を彼女の歩幅に合わせてゆっくり渡っていた そこに一台の車が突っ込んできた (あぁ・・・またか・・・) そう思いながら僕は血だまりの中に倒れる彼女を見つめ、そして意識を失った 目が覚めるとすぐ日付を確認する、いつも通り彼女が目を覚ます日に戻っているのを確認してため息をつく それが、安堵のため息なのか、また繰り返さなければいけないため息なのかはもうわからないけど・・・ 僕は自分の部屋のベッドから立ち、彼女のいる病院へ行く支度をして、家を出る 足早に病院へ向かい、彼女の病室のドアを開ける そこにはいつものように怯えながら僕を見つめる彼女の姿があった 「あなたは・・・誰ですか・・・?」 これは・・・ 記憶喪失の少女と繰り返す男の物語
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