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異世界からのイタズラ電話
秋の満月の夜だった。コンビニでいつもの好物を買い、家へと向かう帰り道、俺は夜空を見上げた。もうすぐ日付が変わる。
真夜中の田舎のコンビニは、まるで砂漠の中のオアシスみたいだ。暗闇の中で煌々と光っているそれは、明らかに場違いなのに、誘蛾灯のように人を引きつける。俺もそんな真夜中の蛾の一人。そこへ行って何かが変わるわけじゃないのに。生きていく上で必要な品物を全てギュッと凝縮しているような空間は、ただ居るだけで世界に許されているような錯覚を俺に与えてくれる。
特別な何かを待っているこんな夜は、コンビニの強い光がどうしても欲しくなる。俺は無意識のうちに靴を履き、玄関の扉を開けて歩き出していた。
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