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ギュイイイイイイイイイイ!!!!!
突然、耳にドリルを突っ込まれたような馬鹿でかい音が頭の奥で響いた。同時に足の裏から体全体に激しい電流が駆け巡った。俺は声をあげることもできず膝から崩れ落ち、その場に倒れこんだ。指先一つ動かせなくなった。落っことした携帯電話と、アスファルトの割れ目から生えた雑草がすぐ目の前にあった。
死ぬ。確実にそう思えるほどの衝撃だった。
突如、頭の中を掻き回していた暴力的な音がブツンと途切れ、目の前の景色が真っ白に変わった。
俺の人生ここで終わっちまうのか。待ってくれ。あと一日、いや一時間でいい。俺を家に帰らせてくれ…。
意識が途絶える直前、ぼやける視界の中で何かが見えた。木。茶色いブーツ。黒いニーソックス。女の子の足のようだった。その先は、見えなかった。
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